北朝鮮は世界から孤立しているのか?
相変わらず北朝鮮が世間を騒がせている。
ところで北朝鮮ってどんな国?と聞かれると、「怖い国」「変な国」「孤立している国」というイメージが一般的だ。
確かに怖いし、国家体制はかなり変だ。
では、世界から孤立している国というのは本当だろうか?
北朝鮮の外交関係
北朝鮮と国交のない国は、国連全加盟国193カ国の内、31カ国と思ったより少ない。主要国では日本、韓国、アメリカ、フランス、イスラエルといった程度。
一方、北朝鮮と国交のある国は、なんと162カ国と、全体の8割以上にのぼる!
日本人の感覚では、「国際社会」が北朝鮮を包囲しているが、中国・ロシアが裏で支援しているため制裁が効かない、という図式になっている。
しかし、実際には「国際社会」のほとんどの国が北朝鮮と国交を持っており、さらに労働者の受け入れや貿易を続けている国が多数あるという。
例えば、以下のメディアでは「アフリカ諸国と北朝鮮の関係」という貴重な分析を聴く事ができるが、その奥深さには眼から鱗だ。
「中国・ロシアだけじゃない!北朝鮮と深い関係をもつ国々は何を求めているのか」宮本悟×白戸圭一×荻上チキ
https://www.tbsradio.jp/181634
「国際政治チャンネル(仮)」白戸圭一×篠田英朗「『史上最悪』のテロ組織 ボコ・ハラム」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv304618370
良い悪いは別として、アフリカの国々にとって北朝鮮という国は、我々とは別のイメージに映っているようだ。
「北朝鮮は危ない国だから世界から孤立している」という考えは、もしかしたら日本人の“願望”なのかもしれない。
「グローバル」な視点で
近頃、「グローバル」という言葉が飛び交い、さまざまな場面で「グローバル」な視点を要求される。
しかし、こういった外交・安保の問題こそ、最も「グローバル」に考えるべきなのに、主要メディアによる報道では全て「日本視点」によってストーリーが構成されている気がする。
北朝鮮という存在をシンプルかつコミカルに演出する事は、日本人の願望とも重なりエンタメ的には正解という事なんだろうか…。
〈追記〉
もう1つ気になるのは、中国についても似たような現象が起きていることだ。
日本視点から見た「中国」と、世界から見た「中国」。そこにも日本人の“願望”フィルターが存在し、両者の間でかなりギャップが生じているような気がする。
このズレを早めに修正しないと、気づかないうちに日本こそが世界から孤立してしまうのではないだろうか…。
〈SHIBA GRAPHICS URL〉